田辺聖子まつり

amanatsu_shoten2016-05-18



突発的に田辺聖子まつり、始まり始まり〜!
まとめてお譲りくださる方がいらして、14日から店内にずらりと並べています。

早速、単行本の『言い寄る』が旅立ちました。


ちょうど初夏、甘夏18才のとき演劇部の先輩に教わって読み始めたのが『言い寄る』。さほど思わぬ人には思われて、本当に好きな人には本心が言えないもどかしさ、せつなさ。じわじわきて、やがて田辺聖子の描く大阪の言葉や人情、文化の奥深さに浸るようになっていったのでした。大阪に下宿し始めたときだったので、やわらかな関西文化への興味を広げてくれたきっかけになった本でもあります。


『言い寄る』『私的生活』『続私的生活 苺をつぶしながら』の3部作は田辺聖子作品の中で最も好き。思い入れは自分が読んだ昔の文庫にあるけれど、近年のレトロなハンカチ柄を表紙にした装丁には恐れ入りました!ジャケ買いしたくなるし、主人公の乃里子らしさをより表していて。


言わずもがなの超有名作家さんですが、まだまだいろんな方に読んでいただきたいです。
食べものシーンの描写がどれも素晴らしく、特に『鏡をみてはいけません』の朝ごはんといったらもう。
そういえば「向田邦子が選んだ 食いしん坊に贈る100冊」の中に挙げられていたのは、『夕ごはんたべた?』 でした。


昔読んだ方も、初めての方も、まずはちょっとご覧になってみてくださいね。以下、タイトル列挙します。
『窓を開けますか?』
『求婚旅行2』
『おせいさんの落語』
『休暇は終った』
『朝ごはんぬき?』
『世間知らず』
『まごつき一家』
『お目にかかれて満足です上・下』
『姥ときめき』
『春情蛸の足』
『姥うかれ』
『姥上手』
『私本・いそっぷ物語 - おせいさんのイソップ噺』
『不倫は家庭の常備薬』
『夢のように日は過ぎて』
『ほどらいの恋 お聖さんの短篇』
『女の目くじら』
『女が愛に生きるとき』
『籠にりんご テーブルにお茶…』
『ラーメン煮えたもご存じない』
『苦味を少々 399のアフォリズム
「愛してよろしいですか?」
『人生は、だましだまし』
『百合と腹巻』
『姥ざかり花の旅笠 小田宅子の「東路日記」』
『千すじの黒髪 − わが愛の与謝野晶子
『古典の森へ 田辺聖子の誘う』