「ここは時の流れが違うね。」
高円寺のブックショップカフェ「茶房高円寺書林」を訪れた人は、そう言いつつ、ゆったりした気分でお茶を飲み、本を眺めていることが多い。
躍動感のあるアートな筆文字を書く、楽書家の今泉岐葉さんと古本イベント好きの私・甘夏書店が、カフェコーナーの一部をお借りして、5月7日(月)から20日(日)までの間、イベント「自分色の風、吹かせよう」を開催しています。
「茶房高円寺書林」の母体は西荻の新刊書店「信愛書店」で、同じく高円寺北にある「高円寺文庫センター」と高円寺書林は姉妹店にあたる。最近多いのは、カフェが主体で、本コーナーが併設されたブックカフェだが、ここは「ブックショップカフェ」。乙女度が高めの新刊のセレクトショップは存在感があるし、古本・CD棚、ギャラリーが併設されたカフェはくつろぎの空間であり、ときにイベントスペースに変化して、文化的な出会いの場として機能している。
先週までは、凛とした品がありながらも、お茶目だったり、色っぽかったりして遊び心のある岐葉さんの書作品が多数展示されていて、初夏の風が吹き渡る感じだった。今週も、出窓にはミニ額の書作品が飾られ、陶器のカップや茶碗、布の壁掛けなどに入ったカードや、Tシャツなど書のグッズは引き続き展示販売中。
古本の棚には、期間中を通じて、暮らし関連や刺繍・こもの作りなどの手芸本、お料理、お菓子の実用本や読み物、この季節に合う「風」や「庭」をテーマにした絵本など計100冊余りを並べた。お客様は自由に読むことができるし、お買い求めいただくこともできる。古本といっても、わりと最近の本から、昭和10年〜30年代とさかのぼものまで。昔の本は、今の流行?と思えるようなおしゃれが発見できたり、今では過剰なラブリーさ♪だったり、まじめなところが妙におかしかったりします。 いろんな角度からお楽しみいただいていればよいのだけど。
キッチン側の棚には、表布は着物地や手ぬぐいなどの生地で和の柄、裏布は小花・細かなアルファベット模様など洋風な柄を配した和洋折衷風味のブックカバーや、リネンに刺繍やアップリケをほどこした乙女な感じのブックカバーとパステルカラーの手編みコースターなどの、こものを並べた。
「手作りって、誰が作ったの?」とは、よく聞かれる(突っ込まれる)ところ。はい、私の母(仕上げの確かな完ぺき主義)と妹(愛情たっぷり)が作り手である!実は私も、もと手芸部としてならした腕をふるうべく(永遠に?)待機中なのだ。
さて、いよいよあと2日を残すばかりとなった。
最終日の20日13時からは、外のウッドデッキで「ちょこっと古本市」があります。
8箱ほどのささやかな古本市だけど、いわゆる古書好きでなくても手に取りたくなるる品揃えにご注目。なんと!幾多の古本市で名を轟かすあのお方の箱も!本の仕事に携わる店主・こだわりの箱も楽しみ。そして強力!信愛書店スタッフも参入。加えて、古本市では意外?でも皆大好き♪バナナケーキも登場します。本まわりの愛らしくて使いやすい手作り品もかなり嬉しいかも。
もちろん、カフェスタッフのセンスが光る!ひとくちケーキの盛り合わせや珈琲も店内でゆっくりお召し上がりいただけます。初夏日曜の昼下がり、高円寺界隈にお住まいの方も、ちょっと遠くの方も、皆さんぜひお越しくださいませ〜☆